■放送後記(2022/11/28 更新) ※クリックすると放送後記をご覧になれます。『SESSIONS』vol.7~収録を終えて~ 《ゲスト:谷村志穂さん》 「多くの方にお力をお借りしたが、文責は言うまでもなく、すべて著者にある」 谷村志穂さんは、自著の「あとがき」の最後、必ずその記述をする。 そこには、ひとつの作品を最後まで書き終えた、 作家の「志」と「覚悟」を感じ、私は毎回、本を閉じる。 文庫化された『セバット・ソング』新刊の『過怠』は、希望の作品であり、 気持ちの深い場所まで届いた小説だった。 多くの人に読んでもらいたい。 たくさんの人、一人ひとりの気持ちがそれぞれに動く物語だから。 放送の中で、私が告白した「作家デビュー後、早い時期に書かれた『十四歳のエンゲージ』を、 自分は青春の時期ではなく大人になってから読んだ。 この本と出合う時期だったと感じた。1991年刊行のこの本は 今の自分にとって新刊でした。会えて、読むことができて良かった」と。 私の心のポケットの中には、十代半ばの拳を握りしめて歩いている、 唇を血が出るほど噛みしめている、悔しがってばかりいる、暗い目をした自分が潜んでいる。 「おまえ、今、生きているのか」「ちゃんと呼吸しているのか」って過去の自分が睨んでいる。 『十四歳のエンゲージ』を読みながら、心のポケットにある石ころに触れた気がした。 谷村さんは「避けて通るわけにはいかない」「読まないわけにはいかない」作家である。 きっと、これからも一期一会のような気持ちの高鳴りの中、谷村さんの本のページを開く事だろう。 そして、また高崎の街を歩きたい。田野内さんと私の番組、『セッションズ』で音楽を聴きながら、語っていただきたい そう願っています。 相原 透 |
■SETLIST(2022/11/28 更新)※クリックするとSETLISTをご覧になれます。・Joni Mitchell / Big Yellow Taxi (BGM) |